家づくりラプソディー

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延床23坪の注文住宅を建てた経緯や暮らしの紹介。理屈っぽい話題多めです

個人信用情報に傷アリで住宅ローンは借りられるのか

 住宅ローンの審査の話です。
 恥ずかしい話なのであまり公開したく無いんですが、かなり胃を痛めた重要な事項なので書き残しておこうと思います。
 

住宅ローンの審査に通らない!?

 自分、数年前に、スマートフォンの割賦料金の残金引き落としがうまくいかず延滞をさせてしまったことがあります。なんと最後の一ヶ月分、2000円だけ!
 もし契約中であれば通信を止められたところで気がついて焦って払いに行くんでしょうが、携帯キャリア会社の乗り換えが重なったタイミングだったので気がつかず、延滞のまま3ヶ月が経過。払込の督促が届いたころにはすでに信用情報機関に「異動」と記載されたようです。
(ちなみにこのケースでいう「異動」とは、債権者である携帯キャリア会社が、債務者である私から代金の回収ができなかったので、保証会社か何かに債権を譲渡して清算した、という意味だと思います)
 
 それ以降、クレジットカードはどこに申し込んでも審査に通らなくなり、かなり絶望した記憶があります。
 幸運にも、この時点で既に保有していたクレジットカードは使い続けることができ、有効期限の更新も問題なく行われたので、それはそれは有り難く大事に使いましたとも…

ネット上にあふれる「ブラックリスト入り」への罵詈雑言

この「異動」、俗に「ブラックリスト入り」とも言われています。ネットで検索すると、さらに不安を煽る無責任な情報ばかり出てきて軽く病みます。例えば...
  • 数千円の約束も守れない人は社会不適合者なので、反省して慎ましく余生を過ごして下さい
  • 住宅ローンなんてもってのほかです。ふざけないでください
  • クレジットカードが作れない?そんなアナタでもお金が借りられるんです!!!(サラ金へのリンク)
  • 信用情報機関に記載された異動情報は5年で消えるので、5年後からようやく土俵に上がれます
  • 5年を過ぎても、一度異動が原因で否決されたら、申し込んだ会社とその系列会社に情報が残っているので、良くて7年から10年は無理。最悪のケースでは永久に無理でしょう
などなど。
 
 特に最後のは某展開家屋社の営業担当に面と向かって言われて半ば突き返されたものです。期待に胸を高鳴らせて家探しを始めた家族の世帯主としてはちょっとストレスに苛まれて、一晩体調を崩しました(笑) あいつほんま許さんからな

借り入れの滞納歴があっても住宅ローンを借りられることがある

 さて、「異動があると住宅ローン審査は門前払い」という言説は、「ファイナンシャルプランナー」とか「住宅ローンアドバイザー」のような有資格者が発信している情報でも頻繁に見かけます。しかし真に受けてしまっては良くないです。こういった泥臭いケースの実務経験が少ない人かもしれません。
 
私は、注文住宅を検討するより以前に、中古の戸建てやマンションを探していた時期があります。その時に不動産屋さんに「とりあえず審査に出してみましょう」と言われて、適当に申し込んでみたメガバンクは普通に否決されました
 
 で、他の不動産屋さんにぶっちゃけて相談してみると、ファイナンス系のことに詳しい社員さんが奥のほうから出てきて、色々と相談した上で
  • 自分の勤務先会社のメインバンク
  • 信用情報はあまり見ず、勤続年数や年収等の属性を重視する銀行
でトライしてみることになりました。
 
 結果、どちらも無事に仮審査を通過しかも立派に優遇金利が適用された条件です。
 
 借金を申し込んでるのに肩の荷がどっと降りるという複雑な状態でした(笑) なんだったんだあの営業は…

自分の信用情報に心配がある人は、作戦を立てて動いたほうがよい

 自分の場合は諸々のタイミングがたまたまかみ合ったので、運よく問題は生じませんでした。しかし最悪のケースを想定するなら、もう少し上手に動いたほうがよかったと思います。
 
例えばローン審査においては、
  • 短期間に多数の金融機関に審査申込をすると、夜逃げの準備か何かかと疑われ、半年程度審査に通りづらくなる(いわゆる申し込みブラック)
  • 一度否決された金融機関からはしばらく(数年?)可決されない(いわゆる社内ブラック)

という傾向は確かにあるようです。したがって、知識の浅い不動産屋の営業さんに言われるままに適当に審査申込を出しまくると袋小路に陥る可能性があります

 というのも、不動産屋さんは、お客の支払い能力を確認するために、とりあえず審査申し込みをさせたがる人が多いのです。お金を払えない人に営業をかける理由は希薄ですからね。仕事を進める順番としては正しいのでしょうが、雑に申し込みを出しまくるのは良くないです。
 
 どん詰まりを未然に防ぐためには、まずは自分で信用情報機関に情報開示を請求して現状を把握し、不動産会社の中でもローンに詳しい担当者に状況を詳しく説明しましょう。その上で審査申込み戦略を立てて、その戦略に納得した上で動くべきだと思います。
 
私が今の理解でもって、万全を期して申し込みを行うとすれば…
例えば、以下の4つの金融機関を候補として挙げます。
  1.  異動情報がある状態でも審査通過の可能性があり、試しに申し込んでみる金融機関
  2.  異動情報がある状態でも審査通過の可能性があり、(1)よりも条件が良さそうな金融機関
  3.  異動情報が消えた後で試しに申し込んでみる金融機関
  4.  異動情報が消えた後で最高の条件が期待できる本命の金融機関
 すると、以下のような戦略が浮かんできます。
 
  • (1)と(2)への申し込みは一ヶ月以内で3社以上にならないようにする
  • (1)(2)と(3)(4)は別系列の金融機関にする
  • スケジュール的に異動情報が消えるまで待つ時間がないのであれば、(1)(2)で仮審査が通ったあとダメモトで(4)にも申し込んでみる。ここで(1)(2)(4)が一ヶ月に集中しないように契約を少し待ってもらえないか売主さんに掛け合ってみる
一方で、避けるべきパターンとしては…
 
  • 業者に勧められるままに何も考えずいきなり(3)(4) に申し込んで否決され、申込み過多として(1)(2)にまで否決されて物件を買いそびれる
  • 逆に物件探しが長引いてせっかく異動情報が消えたのに、(3)(4)の否決情報が記録されていて門前払いになってしまう
というストーリーでしょうか。

まとめ

 いずれにしても、不動産会社の担当者に包み隠さず話すことが重要だと思います。その上で、「じゃーとりあえず申し込んでみましょう」とか言ってくる人と話を進めるのはやめといたほうが良いと思います。代替案がバンバン出てくる引き出しの多い人を探したいですし、自分でもよく考えましょう。
 
また、注文住宅や中古リノベーションの場合は、
  •  不動産の売買契約後に予算が増加する可能性が高い
  •  一度仮審査を通した後に融資額を増加させることが難しい
という点を踏まえて、さらに入念な審査申し込み戦略を練られることをお勧めします。

こちらの記事もご覧ください。a-schiebe.hatenablog.com